全く演劇に興味のないだろう人を、一生懸命誘う

▼今、僕の中で勧誘事業が新しい。それは、演劇人に向けられるのではなく、全く演劇を知らない人に向けられるのである。つまり、「バイト先のあの子」や「大学の頃一緒に遊んでたあいつ」である。そういった演劇無知の人々に声をかける。「こういうのやるんだ、見に来ない? うん、たぶん、良いと思うけど。。」 以前までは、これだった。もう絶対的にこれだけだった。本当は演劇史を突然語り始めたって良いし、今のFrance_panのスタンスを何となくお伝えしてあげてもいいようなものなのに、どこか遠慮がちになって、無意識的に「どうせ演劇なんて興味ねーだろうしなぁ、ピルクルって甘いなぁ」とか思って、言葉少なに、「あ、あの、、、もし暇なら」とか言っていたのだ、ピルクル飲みながら。でも、今は少し違う。それはフリーペーパーを作った事もあるのだろう。説明せずにはおかないのだ。「これは、こういう事でね、Hamletとはね、坪内逍遥ってのは」といった具合だ。

▼ここで、何が面白いかって、彼らが社交的な振る舞いでそうしているのだとしても、一応「ピーカブー」に目を通し、対談等を読んでくれている(らしい)といった事だ。そして、私は確信している。彼らは絶対に読んでいる。そうにちがいない。何故なら、僕がそれを渡すときに、嫌なくらい熱っぽく語っている瞬間があるからで、彼らはそれを敏感にキャッチしている、好意的にでもそうじゃなくっても。人の熱情は、とりあえず伝わる。そう信じたい。その証拠に、今バイト先にいる20歳の女の子や、22歳の男など、色々と意見を言ってくれたりもする。「ダメな人間が悩むなって箇所(ピーカブーvol.1掲載)、よくわかります」とか「この公演では、ビール飲めますか?」とか「教授の言ってる事が全然わかりません」とか(笑)。どれもこれも、本当に有り難い意見だ。

▼先日、栗田君にピーカブー挟み込みでKAVCまで行ってもらった。非常にありがたかった。スプリンクルシアターには絶対に挟みたかったので助かった。なんて書かなければならないほど、挟み込み状況が芳しくないってのが泣けるけど、まそれはいいや。東京デスロック「3人いる!」、面白かった。台本を買った。

▼そして今日は朝10時に速水に挟みこみ行ってもらった。マレビトの会である。アトリエ劇研である。なかなかに遠い。そして朝の10時ってのが、凄いと思った。行ったけれども。血の婚礼、とても楽しみである。最近、劇作家協会の新人戯曲賞のページをざっと眺めていて思ったのだが、各審査員の評が載るのは、改めて良い事だと感じた。今、トヨタコレオの話題が若干にぎわっているけれども、これも結局そういう事で、点数とかより、「私、こう思います」っていうプレゼンをして欲しいって事である。僕も演出家コンクールに出たので、非常によく分かる。あれも、各審査員評が掲載されないものだろうか。

▼情報をだらだらと詰め込み過ぎな文章で誠に申し訳ない次第だが、もう一つだけ言いたいことがある。というか、気付いた事がある。Pan_offIce発行「ピーカブー」には副題がついており、それは「演劇をそれなりに考えるフリーペーパー」といったものだが、「それなりに考える」せいだろうか、ピーカブーはどうかと思うほど、よく挟み込みの間から落ちるのだ。A4三つ折で小さいからそうなるのだけれど、デスロック観に行った会場で、いろんな人が「ピーカブー」をぽろぽろ落としているのを見て、僕はとても愉快だった。ピンクの細長いものだ。ピーカブー。中心にピって書いてある。劇場の床を良く見て欲しい、落ちているはずだ。マレビトの会/血の婚礼には挟み込んだ。今週末である。アトリエ劇研に行かれる方、床に注意して欲しい。ピだ、ピ。

そして、最後にピーカブーのテーマ曲をご紹介。その名もピーカブー。NEW WAVEを!!!