集客と宣伝と

▼昨日集客問題について少しだけ触れたが、まぁともかく集客数は低いのがフランスパンの現状だ。異常に低い。東京公演の方が来たってのは、やはり冬のサミット効果、宮沢章夫さん効果なのだろうか。こいつは困った事だ。昨日から少し集客について考えている。このきっかけは、ファーブル大阪公演と東京公演の集客数の違いもあるし、いつだったか忘れたが、とある団体の芝居を見に行った時の集客数の低さに驚いたからだ。その団体の主宰者の方は、京都でちょっとした賞を貰った後に、大阪のとある劇場にて公演を打っていて、僕は残念ながら京都の公演は観にいけなかったのだが、大阪の公演を見たとき、確かにその公演はちょっと違う作風、違ったアプローチでの公演・興行であったのは確かだが、本当にびっくりするほどお客さんが入ってなくて、賞を取った直後にも関わらずこれはどういったことなのだろうか大阪。と思ったものです。制作的な問題もあるだろうし、受け手の興味のベクトルも色々とあるだろうけれど、もっといろんな人がいろんなものを観に行ってもいいじゃないか。とだけ言っていても仕方の無いことなのだろうけれど、例えばどうだろう、知人と映画の話になって、それがクローネンバーグの話などになって、「あ、知らないか」で終わってしまったりするのが今の時代で、「あ、こいつたぶんクローネンバーグなんて興味ないだろうな」と思った時、既に話はモスバーガーのシェイクが美味しいといった話になっていたりする。芸術全般について心底話し合えるようなツレが次第に少なくなり、「こないだあれ観たけど、なかなか面白いよ」とか「あれはいまいちだけど、一見の価値はある」とか、あーだこーだ語っていくにつれ、受け手の絶対数がもっともっと多くなればいいのにな、とか思うのだ。情報過多になって、曖昧性がなくなってしまったように感じる。絶対的に、手放しで、ただひたすら神的に面白いものしか享受しようとしない人たち。無駄な時間を過ごして感じられるものもあるわけで、たとえばmixiyou tubeのコミュなんて物凄く人がいるけど、あそこの「神」とか「凄い」とか、もしくはニコニコ動画でもいいけど、すぐにコメントをばしばし入れたくなるようなモノだけが残っていくのは、時間芸術が軽視されていってしまう危惧を感じる。一見なんて事はないけれど、何かひっかかる。といったものは排除されていく。これは、正直怖い。だけど、勿論内省的な気持もあって、もっと上手くお客様を騙そうよとか、解体と享楽のバランスをうまくとろうよとか。

▼戯言を色々と申しましたが、今日はとにかく宣伝をしようと思うのだ。岸田戯曲賞最終ノミネートもされた山岡さんの作品が京都芸術センターである。私も観にいければ行きたいのだけれど、CTT関連で岡山にいるので、この作品を観に行けそうに無い。代わりに宣伝をして、少なからずいるだろうこのBLOG閲覧者の方々に観に行って頂いて、様々な感想を聞こうと思うわけだ。盛り上がりを見せるためにも、是非みなさん観に行ってください。以下詳細。

東京国際芸術祭2008 リージョナルシアター・シリーズ
創作・育成プログラム部門
「着座するコブ」
■作・演出:山岡徳貴子
■キャスト: 杉山文雄/野中隆光/三村 聡
鈴木陽代/田中 夢/武田 暁
■会場:京都芸術センター
■日程:2008年4月18日[金]〜4月20日[日]
■チケット:全席自由席 一般2,500円/学生2,000円
■タイムテーブル
4/18(金)19:30
4/19(土)13:30/18:00
4/20(日)13:30

京都公演特設サイト
http://seisakusya.jp/tyakuza/index_pc.html

ちなみにこの週は他にも、三角フラスコ@アトリエS-pace、維新派@精華小劇場、子供巨人@ポコペン どれもこれもとても面白そうです。

▼何だか思いっきり宣伝BLOGになったけれど、たまにはこういったものも良い。戯曲へのアプローチよりも現場主義的に演出を施しながら戦略を錬る僕にとって、戯曲を大切にする中から生まれてくる作品世界やその中での役者の身体性などにやはり興味がある。そして、何となくだけれど、特に俳優の人たちがこういった作品を多く見る事が、今逆に必要なんじゃないかと想う。