時間を逆上がり

▼space×drama2007公式ブログがある。そこに書いたものをここに載せてみます。以下の通り。

時間を遡る

▼どうも。France_panの伊藤です。只今、6月13日。3日も遅れての発信です。お許し下さい。
さて、折角オープニングイベントも終了しましたので、僭越ながら各団体様へのコメント/感想等を書いてみます。今回のspace×drama2007参加団体の人々は、各団体のお芝居を見て、しっかりと批評/レビュー/感想/論評、なんでもいいけど、とにかくそういうのを書くことになっています。そういう自主的/自首的な縛りがあるのです。他団体に物申す発火点にでもなればと、ちょっと実験的にオープニングイベントなりを騙ってみます。

1.LAST HOPE

団体名が良いなって想いました。邦訳が「最後の希望」です。リュック・ベッソン監督の処女作がそんなような名前だったような記憶があります。切ない名前です。しかも東京からやって来るらしい。東京から「最後の希望」がやってくるとは、何事だ。そんな気分で、妙にわくわくします。
お芝居のタイトルは、「お吉物語」。どうだろう、このギャップ。門構えとして欧米文化を取り入れながらも、内装は純和風。コニシキが日本語で遊んでいる、そんな感じでしょうか。
オープニングイベントでは、「お吉物語」の舞台となる場所の映像を流しておられました。個人的には、映像を流し終わった際に、「見たくなった人は手を挙げて下さい」とオーディエンスに語りかける姿が、とても神々しかったです。

2.突劇金魚

劇なのだ。撃では無く。突然劇場にいる奴。劇場に突入してくる奴。そんな感じだろうか。そんな漠然とした想いがあった。なかなかインパクトのある漢字四文字だと想います。聞いたら忘れられない、そんな名前です。OPイベントの際、突劇金魚の略称が「突金」と知って、僕は個人的にとてもドキリとした。
OPイベントの催しもので感じたのは、ガーリーな匂いです。歌ってました。踊ってました。スーツを着たOLが二人ないしは一人いました。男の子を拉致してました。でも、ガーリー。女らしさというよりは、女の子らしさ。「突劇金魚」という言葉を「突撃金魚」に変換して、頭の中に突撃していく金魚の絵を浮かべれば、なんかガーリーな気分になるはずです。リアルにデッサンしてはいけません。ちょっとベールをかけましょう。もちろん、その紗幕を取った瞬間に、女の子は女へと昇華してイク。愛情マニアな僕の勝手な希望でした。

3.旧劇団スカイフィッシュ

主宰の小嶋一郎氏は、どうやら僕と同年代らしい。そして彼は実はとてもファニーだ。名前からしてファニーだと想う。あえて言っちゃうが、なぜ「旧劇団」なのか。一体今はどういった名前の劇団なのだ。ハムレット・マシーンの冒頭のセリフに「私は、ハムレットだった。」といった有名な一文があるが、小嶋氏に言わせれば、「私の劇団は、スカイフィッシュだった。」になるのだろう。その辺の時間の捻れが心憎い。
「鵺」というフリーペーパーを発行している旧劇団スカイフィッシュ。これは、もっと評価されるべきだし、この動きはもっと関西演劇界を盛り上げていくだろう。応援してます。
OPイベントの方は、とある芸能人のインタビューを淡々と読むといった、とても暴力的な内容で、個人的には心地よかった。特に、男性が女性グラビアアイドルのインタビューを読むのは、痛快。ああいったプレイはあるんじゃないか。試してみよう。

4.劇想 空飛ぶ猫

前回のspace×drama2006でもご一緒しました。と言っても、特に会話も目配せも無いような関係。何故だろう。ま、疑問に想っても仕方ない問題もあるから、これに付いてはもう触れない。
タイトルが「WELCOME TO MY SLAVEHOUSE」。何て恐ろしいタイトルだ。ようこそ、と言われても困る。しかし、面白いかもしれない、と思わせるものがある。ホラーは売れる。でも、主宰の萩原君はTVとか嫌いらしいから、そういった事もないのかもしれない。僕は萩原君の言動を見る限り、「無血革命」といった言葉を思い浮かべる。何か、色々とアンチなのだ、彼はきっと。
WEBで確認する限り、昨年は優秀劇団を取り逃して悔しい思いをしたようだ。そして続きの挨拶文にはこのように書いてある。「今年は必ずいただきますので、よろしくお願いします。」なんて生意気な猫だ。お盛んな猫だよ、ほんと。これで、優秀劇団取れなかったら、まさに「WELCOME TO MY SLAVEHOUSE」。それも面白いけど、参加団体は皆優秀賞狙っているに決まっている。とりあえず、心配は猫をも殺すらしいから、そっと盗み見ていよう。

5.10×10×10

興味がある。テンテンテンと読む。可愛い名前だ。かといって、実際に計算にかけると、千になる。表記名がたまに101010になっているが、この場合は十万千十。漢数字は読みづらい。余談だが、来来キョンシーズの女の子はテンテン。好きだった。
OPイベントの映像が、とても良く出来ており、心底魂消た。主宰の十時氏も吃驚していたような感じが面白く、良い人だなぁと想った次第。
超有名な唄を女性がか細くハミングする映像は、塩田明彦監督「害虫」で効果的に使われていたが、あのようにベタな曲でも、同じような効果が出る事に、僕は少し感動した。「きっかけはサザン」との事だが、僕自身も「きっかけはサザン」だった女性、「きっかけはユニコーン」だった女性、「きっかけはスティーヴィー・ワンダー」だった女性、と色々と記憶がほつれて気持ちが良い。