日付ごちゃごちゃ人

▼今ブログって世界人口分の何人が書いているのだろう。そんな事を考えた。で、きっと、みんなそれなりに、日付等を少しは気にしている、ってかかなり気にしている。そういう意味で、まぁ、携帯持ち始めてからそうだし、日が昇って沈んで、何か暦をきにしはじめてからもそうだと思うのだが、人間はそりゃもう、ずっと昔から時間に縛られている。だから、今、もう、現代人はみな「日付ごちゃごちゃ人」。

▼本日、知人清水ブログ経由で杉山準氏が執筆されているブログ『劇研アクターズラボ』を読む。とてもためになる事が書いてある。昔、http://www.pan-kyoto.com/review_preview_FrameSet.htmlに杉山氏が書かれた文章はかなり読んだけれど、最近のブログ等は未読であった。読みながら、いろいろ思う。なかなか、こういった思いを上手く言葉に出来ない。これを安易に「良いぞ、良いぞ、みんな読め読め」といっても、また何か違うのだけれど、一読一考の価値はある。二考、参考、熟考の価値がある。http://labo.gekken.net/?cid=29423

▼と同時に、余り気難しく考えず、自分なりに頑張っていきたいんだよなぁ、って思いもある。でもこれはただの甘えだ。ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏がブログを今年になってはじめたようだが、これを読む楽しさってもんもある。ま、それとこれとは別の話なのかもしれないけど。自分と他者、自分と自分の距離感は常に意識したい。

▼で、杉山氏のブログを読んだら、関西で劇場を運営されたり、プロデューサーをしていたりする方々のブログを芋蔓式に読み始めてしまった。ちょくちょく見つけては、面白そうな時だけ読んでいたけれど、繋げて読んで、いわゆるfringeで言うところの『制作ブログ』一般へ思いを馳せた事は無かった。ん〜。様々だ。本当に様々。

例えば、http://artcomplex.net/webpan/index.php?catid=32は、杉山氏のブログとはまたちょっと違うけれど、ワークショップの可能性に関して綴った文章。これは、近日中に読破しなければ。

例えば、http://kacha238.blog62.fc2.com/は、某劇場に務めてらっしゃる方の文章。プロフには書かれていないが、大阪で演劇してる関係者であれば、すぐにどなかのブログかは判るシステムになっている。かなり赤裸々な文章が多く、France_panに関してもずばり「あまり面白くなかった」とある。普通、こういう立場の人がここまで赤裸々に書くのは如何なものかとも思うが、何だかここまでさくっと書かれると、あーそうなのかー、と思うしかない。通常は、その人の嗜好性も記した上で、面白く無いと感じた点を多少論理的に、客観的に述べていくのが、劇場の仕事とも思えるのだけれど。これでは、芽を摘みかねない。(言葉一つで摘まれてしまうのも、考え物だが、韓国アイドルの事件等も割るわけだし、一概には言えない。)

例えば、http://vietnamnewblog.seesaa.net/は、精華小劇場や京都芸術センターに勤めてらっしゃる丸井さんのブログ。3月27日付の執筆で「いい演劇」というのがあるが、僕は正直これを読んで、そのまま丸井さんの家に酒でも持って行きたくなってしまった。冗談でも何でも無く、この「いい/悪い」の線の引き方、僕も凄く、ずっと考えていた事なので、何か機会があったら、是非お酒ご一緒したいと思った次第。

そして例えば、http://fringe.jp/blog/は、小劇場演劇の制作者を支援するサイト『fringe』のブログ。既に読まれている方も多いと思いますが。

▼勿論、上記以外にも数ブログ読んだけれど、総じてこういう直接劇場業務に携わる人々が発信する情報は極めて刺激だと感じた。しかし、余りに刺激が強すぎると、それもまた難しいので、色々考える。劇場プロデューサーや批評家の方で、ちっとも何にもわからず、「はい、あれ退屈。」とか、ささっと言ってのけてしまう人たちはいるものだ。昔、宮沢章夫氏やKERA氏や松尾氏が一同に集まったシンポか何かあった時、何処かの評論家が三人の(?)芝居を一蹴したらしいが、ものの見事に三人ともそれから数年後に岸田戯曲賞を受賞した。それを受け、宮沢氏は著作の中で、「ざまぁみろと思った」と書かれている。実作者としては、こういう気持ちで痛快に生きたいと思う。色々な人がいるなか、作り手と受け手を繋ぐ前に、作家組と興行組(不適切な形容かもしれないが、そこは敢えて触れず)が解離をおこしたって、しょうがない。丸井さんがおっしゃるように、よい/わるいの基準なんて、ほんとに難しいけれど。

▼僕は、基本的に派閥嫌いだし、まーるく円滑に、しかし刺激的にやっていきたいと思っている。今、イギリスでは、奴隷貿易の謝罪問題で沸いているらしいが、ビートルズを産んだ街なんて言われているリバプールの見解はとても良い。「悪い事しちゃったら、普通謝るでしょ。で、それから関係性を再構築していった方が良いよ。」とのこと。過去の栄光は誇るくせに、汚点は隠すのか。とも言っていた。僕は、これ今日TVたまたま見たらやってたので知ったのだが、これ聞いた時、「嗚呼、素晴らしい!」と思ったのだけれど、その2秒後はっとした。なぜなら、こうした発言に驚く時点で、自分自身の歪み加減を知ったからだ。こうした考え方は、極めて普通の事だったのだから、わざわざ手離しで喜び、他人事の情報で終らせるその思考回路は危ない。気をつけよう。にしても、良いことを言っている事には違いないので、激しく賛同してます。リバプール

▼ま、全部ひっくるめて、みんな日付ごちゃごちゃなのだ。しかし、ただやはり、自分が今France_pan主宰で劇作家で演出家であると言う事だけは、忘れたく無い。その事実だけは、24時間受け入れていこう。謙虚も見栄も含めて。