セリフ

▼稽古。読み合わせる。普通に読まれると実に退屈。それを役者には感じて欲しい。役者が深く読解も出来てないのに、秘すれば花を咲かせずに、自由奔放に演じられると、極めて面白くない。これは、戯曲がかちんかちんとしているから。彼らの身体性が基本的に僕の戯曲文体に沿っている筈なので、普通の戯曲、正統派の戯曲に対する身体の強張りをもっと意識しないと、ただの下手糞な演劇になる。そこを気をつけるように指摘した。2007年に1929年に書かれた戯曲を上演するのだ。その時間の差を意識しないといけない。チェーホフ演劇でよく言われることだが、サモワールって何だ!!、って話。もちろん、日本の戯曲なので、極めてわからない言葉は出てこないのだけれど、言葉や風習、土の匂いなどの感覚は、絶対に今と当時では違うはず。とても当り前な事だけれど、ちょっと忘れがちだ。

▼そもそも、役者はすぐにセリフを読みたがる。クッキーモンスターがクッキー食べまくる愛すべきキャラクターならば、役者はラインモンスター(セリフを食う憎むべきキャラクター)と言えるかもしれない(頭の悪い例え!)

▼そもそも、セリフは『台詞』とも『科白』とも書く。台詞は「舞台の詞、台本の詞」としての意味。しかし、科白とは、中国語からの借用で、『科』はしぐさを意味し、『白』は言葉を意味する。こうした二面性をちゃんと意識して、セリフに臨みたいものだ。語源は面白い

▼そしてセリフに関する激烈な討論に私は嗚咽。