スペアー、初日

▼公演日記が飛び飛びですみません。今日、スペアーの初日があけました。小屋入りが火曜日だったけれど、今振り返ると、

10月31日(火) 舞台を平面にする。イントレを組む。美術を組む。
11月 1日(水) 美術を組む。照明を仕込む。
11月 2日(木) 諸々。ゲネ。

と言う流れでした。まぁ、兎に角会場まで来て頂ければ判ると思いますが、中々の美術の量と言うか、あの劇場が中々に大変な事になっています。会場入ると頭上注意と書いてあります。非常に面白いです。

▼公園とマンションの一室が互いに侵食しあったような美術になっております。これは、本当に自ら体感して欲しいので、お客様には美術の中を必然的に(?)通って頂いて、客席に着いて頂きます。三面舞台なので、美術の中を通らずとも席につけるお客様もいるとは思いますが、折角なので、是非美術の中に足を踏み入れてみてください。そして、色々と覗き観てください。多少美術に触れることも可能です。触れる美術としての機能は十分あります。係りの者がいますので、危険度の判断もつき易いと思います。でも、兎に角観て欲しい。観る事で、この空間は何なのか考えて欲しい。美術だって、立派な立派な作品です。緞帳なんてありませんから、想像力の蛇口を捻って下さい。お願いします。

▼さて、今日初日を迎え、夜の公演後にはサカイさんとPPT(ポスト・パフォーマンス・トーク)も終え、とても楽しめたわけだが、その後舞台監督のヒゲさんとサカイさんと役者三名とMC本日と少しだけ飲みに行ったのが一番面白かった。と言うか、非常に貴重な意見を聞くことが、確かめ合う事が、出来たと僕は思った。明日からまた大変だ。

▼「今回の作品、難しいですか?」と言う質問をする人は、恐らく難しい芝居が好きではない。ここでの「難しい」とは、「判りにくい」と言い替えても良いし「解釈へのヒントが見え辛い」と言っても良い。もっと言い替えていくと、「難しい」は「大衆娯楽で無い」とか「受動態で観れない」とか「脳を腐らせられない」とかなるかもしれない。だから、何度もここで書いているが、能動的に観ないと、と言うか1回観ただけでは、作品の構造やら筋が見えてこない作品だと思う、スペアー。それは、作品としてどうなの?と言う意見もあるとは思いますが、反芻する価値の無いような、消化品としての芸術は、余り面白く無いと思う。勿論、人はモノも時間も全て消化しちゃう存在なので、どれだけ良い芝居でも、覚えている箇所は実は2,3と言う場合だって沢山あるけれど、僕個人としてそれはそれで有りだと思う。何も残らないよりは、何か一つでも残れば、と思ったりする。

▼正直、作品として少なくとも三回観ることをお勧めします。そんな話を作・演出がしてもいいのだろうか甚だ疑問だけれど、三回見て欲しいんだからしょうがない。作品鑑賞の手引は、美術を体感してもらうことが、まず第一なんだけれど、二番目として、僕の話を若干でも良いから、してもいいのかな。どうだろう。嫌がられるかな。例えば、この作品が五章からなっている事を説明する。そして、それぞれの章のタイトルを発表。

第一章:木村と春子、表層滑走
第二章:辻原と春子、深層合戦
第三章:消失、明滅
第四章:ストライクとガーター
第五章:飛べないものたちの王

台本上は、以上のような章立てになっている。とても粗く章のタイトルをつけてしまったが、問題は特に無いと思われる。僕が今回のスペアーで問いたいのは、恐らく「稀薄性」と「補完関係」。映画の前情報並に、演劇の前情報も開示していく事で、観る姿勢は作られていくだろう。僕のブログやスペアー公演ぶろぐを読んでいるお客様とそうじゃないお客様とでは、かなり作品の見え方は違うはず。登場人物は、木村(加藤智之)、春子(本條マキ)、辻原(永見陽幸)、以上三人です。

▼是非皆さま、会場までお越し下さいませ。宣伝が遅れた故でしょうか、それとも様々な問題が山積みだからでしょうか、若干動員が厳しそうな予感がしない事も無い事も無いような興行状況です。長いことやってますので、宜しくお願いします。

(ざくざく書いてます。落ち着いて、PPTの様子や呑み会での談合様子はかけるときがあれば書きます。)