横浜、三鷹

▼新宿に殺人犯が来るとか噂があったけれど、そういう人はいなかった。(捕まったらしい。)でも、そういう人が来るかも、という気持ちで歩く僕は通行人の挙動をいつも以上に注意深く見た。そして横浜は雪だった。横浜美術館でやっている高嶺さんの展示を観た。新・共通感覚論のテキストが配された展示、A Big Blow-Jobってタイトルが僕は好き。「とおくてよくみえない」って展覧会と同じタイトルの本が出ているけれど、あそこに書いてある文章を全部読んでから見ても良いと思う。横浜美術館では最後に、何とも侘しい感じで2冊置いてあるけれども。僕は展示を見終えて、その本を批評家の書いてる部分以外は全部読んだ。読み終わると、高嶺さんの思想に感染されて、一緒に置いてあるコレクション展が全然面白く見れなくなるという面白い事がおこった(一応全部見たけど)。高嶺さんの思想は、アートと社会の地均しをしたい、と少しでも思考したことがあれば、殆どの人がうなずける内容だと思う。等身大って言葉が思い浮かんぶのだけれど、等身大の表現をしている人の感染力は高い。逆に考えれば、等身大で居続ける事って、難しいのかも。
http://www.iamas.ac.jp/~yoshioka/SiCS/e-text/jp_online_020214_shinkyotsu.html

▼その後チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」観た。幕切れの良さ。やっぱり面白かった。幹も面白いし枝葉も面白い。あと根は客席側に張っている。そんな感じ。ナイロンのケラさんが、チェルフィッチュがずっと前置きに見えるというついーとがあったけれど、その意見が何かとても示唆的な気もするけど、まだ僕はその辺ちゃんと考えられていない。坂口恭平氏との対談の日だったんだけれど、実にすばらしいトークで見れて良かった。対談が面白すぎて、芝居の内容はふわふわと消えていった個所もある。でもチェルフィッチュの舞台は二回以上見たくなる、そういうシステムになっている。

▼次の日ICC行っていろいろ見て、その後五反田団を観た。とことんふざけていた。でも印象に残った。大山を愛しく感じてしまった。バイオリンがしたくなったと言っても過言ではない。