無神経な私

▼私は今朝、肩が痛く、最近妙に痛いので、近所の整骨院に寄った。雨が降っていたが、原付で向かう。速度を上げると雨滴がぴちぴち当たる、その痛みが増す。快感を覚えてはいけない、と自分を律しながらも速度が上がっているボロボロの原付。まぁそんなこんなで、濡れた格好で診療台に上がる。その整骨院は、原付で5分ぐらいの所にあり、すいすいと道らしからぬ道を行くことで着くような秘所にあるため、行くのが楽しい。しかしその整骨院は働く者が全員で挨拶してくる。「こんにちはー」と全員で私に言ってくる。怖くて仕方が無い。挨拶を、私は返せない。
マッサージされて30分、結果1,330円(初診料込み)を払ったが、全く肩の痛みも取れず、しかし全員で「お大事にして下さいー」と笑顔で言われ、妙に腹立つ。こちらから「上達して下さいー」と言ってやりたくなるが、僕は僕をマッサージした20代前半と思しき男が、マッサージ上手いのか下手なのか判断出来ない。もっと通って、本物の先生に出会えば、彼のレベルを判断出来るのだろうが、そんなに足繁く整骨院に通った事も無い。時間があれば通っても良いが、1ヶ月整骨院に行かないと、初診料をまた取られる。そういう集客システムはどうだ。多分違うんだろうけど。
ここからが本題だが、その後私は歯医者へ行った。実は、整骨院に行く前に既に予約をしたのだ。10時半からなら空いています、と言われ、「じゃそれでお願いします」と予約をとった。整骨院についたのが9時半でそこから30分やられて10時。あと30分で歯医者だ。肩胛骨を見て貰い、その後歯を診て貰う一日である。歯医者では、僕の好きな先生(半年ぐらい前に通っていた)が診てくれた。先生は僕の歯を2,3分診てから、「えー、前回のここが、そのままになってたから(来いと言われていたが僕が無視していた)、こう穴が空いてて、神経ぎりぎりまできてますね」と言った。優しく言った。働いている人全員が「こんにちはー」とは言わない歯医者が好きだ。先生のクールな面持ち(多分僕と同年代)が好きだ。僕の顔面のレントゲンに、デジタルペイントする先生の手つきの良さが好きだ。でも神経ぎりぎりって言われて、「はい」って言ったら、先生は即私を倒し、治療にかかった。あー、怖かったよー。その唐突さが。思えば、私はいつも唐突に治療や手術されてきたのだ。小学校4年生だったか、盲腸の時なんか、病院行った10分後には緊急手術だった。その時の先生曰く、「ほったらかすと、死ぬかもしれない」。すぐ治して貰おうと思った。
で、今日の話に戻って、僕は歯の治療した、薬詰められた。2週間経っても、痛むようでしたら、神経抜きましょう。はい、ありがとうございます。先生、好きです。はい、さようなら。私は2,660円払って帰宅する。家で濡れたズボンと服を脱ぎ、レトルトの中華丼を食べて、出社に備える私。で、それからである。麻酔が切れてきて、尋常じゃない痛みが歯に走る。50m走を駆け抜ける感じで痛みが走る。50m走ならすぐ終わるけど、この痛みは4000m、ん〜、マラソン並になってきていた。中華丼片手に、半裸で暴れる私。痛い。心から痛い。働き場所に電話、切実に訴える。わかりました、神経抜いたら大丈夫ですよね、はい明日は行きます。
というやりとりがあって、今から30分後に、私は無神経になる。ま、一本だけだから何てこと無いが、ちょっと悲しい。今日、丸井さんの講座だったのだが、これじゃ行けない。無神経な私だ。関西小劇場史とか、は皆さん、行った方が良い。今日宣伝してどうする。でも、歯が痛くない人は、是非今日の19時からアトリエS-paceに行って下さい。

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