あっという間

▼ぴゅーぴる演劇祭〜訓練月間〜が始まっています。赤裸々シアター第一回と00年代演劇論的第一回が終了しました。赤裸々の第一回は、相内さんと関川さんの対談形式で進めました。当初、あまり赤裸々で無かったですが、最後に僕が乱入して赤裸々なことをいって貰いました。お客様からももっと、赤裸々に質問して良いと思います。演劇なんて、もっと色々と赤裸々にしてしまって、情報共有をしないといけないジャンルなので、「ガンコ親父の秘伝のタレ」なんて、まだまだ時期的に早いと思っています。僕の関係した人で一番秘密主義なのは、旧劇団スカイフィッシュの小嶋氏でした。それ以外の方は、明け透けに色々と教えてくれますし、その教えてくれることが、何らかの教訓になったりします。本当は、見て覚えろ、といったスタンスも重要なのですが、今の時代、バカ丁寧に教えて、騙してあげないといけないのかもしれない。なので、赤裸々の事実は必要だと思います。

▼僕は色々な劇団の主宰にあったときに、劇団員が何名か、劇団費はとっているか、チケットノルマはいくらか、といった話をよく聞きます。まぁ、ほとんどの劇団で維持費みたいな形でとっていて、プラスノルマがあるところもあります。うちは、ノルマは無しです。但し、団費はあります。いくらか知りたい人は、直接講座か公演かに来て、訊いて下さい。

▼劇団費の話ですが、こんな面白い記事があります。
http://www.mcri21.com/sp/kikaku/noruma1.htm
6年ぐらい前の記事ですので、今はどうか知りませんが、劇団維持費とノルマの有無ってかなり劇団集団論として重要だと思います。まぁ、目指すべきは、如何に団費を無くすかって事なんですよ。そこをどう切り込むかが勝負所。で、赤裸々シアターで僕が言ったことは、団体は助成金申請するのに、何故大阪の劇場はちっとも助成金を獲得しようとしないのか、って所でした。僕からすると、小屋代を払わないといない小屋は大家さんに見える、と言ったのでした。で、集客に頼っているところがありますが、ざっくり言うと、集客では絶対に食えないと思います。演劇の販売チャネルが他と全く違うのです。食える分けがない。そりゃ、入場料をバカ高くすればいけるかもしれない。集客が500人として、有料動員が450人いる。で、チケット料金5000円にする。5000×450=2250000 収支が120万の場合、100万円が残ります。これをFPの場合は7人で割ると、1人14万ぐらい。公演を作るのに3ヶ月ぐらいは必要ですから、一月4.6万円。はい、無理ー。単純な倍々ゲームをして、集客1000人にすれば!って思うかもしれませんが、その分支出(劇場費、スタッフ費など)がかかるので、結局意味が無い。では、チケットを倍にして10000円にすりゃいいかって話でも無い。

▼そう考えると、今の大阪の小劇場で500人呼ぶのは優秀な方ですから、ほとんどの劇団が200〜400をさまよっているはずです。そうなると、どんどん話は暗い方向へ。また、チケット料金5000円取る所なんて皆無に近いですから、みんな2500円前後なので純粋に上記計算でいけば、団員のギャラは1人2.3万円ぐらい。ちょっと頑張って日払いバイトしました、程度を3ヶ月使って創作するのです。いやー、遠いなぁ。こんな状況で、皆さんはスタッフさんへは2.3万円の3,4倍の料金はきっと支払っているはず。大変ですね、役者って。

▼僕は、スタッフに支払いしながら、役者に支払わないシステムが嫌いです。というか、スタッフは貰いすぎだと思う。なんて書くと、また仕事がしづらいですが、どの顔をして、スタッフは役者0円の所を云万円頂いているのか、わからない。やはり、能力給として、スタッフもたいしたことがなければ、技術だけであれば、全然支払う必要は無いと思う。技術だけの話でいけば、そんなものは学べば大丈夫なわけで。センスを買いたいのですよね、やっぱ。その割に、大阪のスタッフは全然センスが無くて、勉強もちっともしてなくって、僕の方がいろいろなことを知ってるぜ、といいたいスタッフさんは多い、という状況はあるかもしれない。なんて書くとまた叩かれるなぁ。ま、いいや。

▼演劇講座をしたり、WSしたりすると思うのは、参加者が悪いみたいに言う講師がいたりして、でもよくよく考えれば、講師にも講師の知っておくべき、学ぶべきモノがある。そういうことを抜きにして、参加者のせいにしたり、うやむやに講座・WSが終わっていく事が多いような気がする。先日オリザさんのWS手伝いに行ったのだけれど、実にWSとして素晴らしく、僕も何度か受けているけど、改めてビックリした。WS講師を育成するって視点を講師やる人は、持つべきだと思う。

▼なんか無駄に長くなってきた。ん〜、何が言いたいのやら。あ、赤裸々シアターで聞けた話は、でも本当に面白くって、相内さんも関川さんも虎視眈々と、何か狙ってますよ、これは。そういう着々と何かを秘密理に育てていく人がいる、って知れることが良いなぁって思った。タイマーズの曲で、争いの河というものがあります。良い歌です。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND406/index.html