素直にいきます

▼標題は、サリngROCKがOMS戯曲賞を受賞したときのブログのタイトル。今日読んだ。思い出したように読んでしまった。素敵な人だなあ。シアトリカル應典院のSpace×Dramaで初めてお話したが、あの頃からずっと素敵な人度をキープしている。素晴らしい。祝杯を上げたいです。同年代同士。こういった話題は、じゃんじゃん前に出て行け〜、って思っている。 http://yaplog.jp/saring/archive/645

▼って人におめでとうって言ってる場合じゃない。明日から小屋入りだ。明後日はゲネ・本番。土曜日は昼、日曜日は昼。で終わり。今週末は、京都芸術センターで三浦さんと筒井さんのリーディング公演がある。残念ながらお伺い出来ない。いきたかったなぁ。僕は僕で土曜日トイガーデンの安武君とPPTだ。

▼少しだけ家族っぽい時間について語ろう。今回は、1時間50分ぐらいの作品。ちょっと長い。また、美術も仕込む。この美術が、また良いと思うなあ。明日の小屋入りで見てみないと、まだ何とも言えないが、久しぶりにトラックでの搬出入でドキドキしている。いつもは鞄に詰め詰めな感じだったけれど、さすがに今回は色々と美術がある。また速水に写真をUPして貰おう。家族っぽい時間が流れる場所が出来ました?、てな感じである。

▼松田祐一郎さんは、前田司郎さんが岸田獲った「生きてるものはいないのか」に出演していた人です。あの作品を観た人なら覚えていると思いますが、テープに歌を残して死んでいった人です。あんな面白い人がうちのオーディションに来てくれたので、私は応募資料を見たとき、「翼を下さいのおじさんが応募している!」と思った。彼はイッセイ尾形WSに多く参加したり、阪大で平田オリザ氏の授業を受講していたり、熱心に動いてらっしゃる方で、家は京都芸術センターから超近い所にあるらしい。本條マキが来年1月に出演する稽古が芸センであるそうだが、何度か松田さんとであってるらしい。

▼黒木てるみさんは、京都のとある児童劇団に長年所属していたキャリアの長い俳優さん。オーディションで笑っている姿をただただ僕が見るというテストがあるんだけれど、黒木さんの笑う姿が忘れられない。その時は、鉛筆を見てとにかく笑ってください、ただし何か言葉で色々と言うのは駄目です、という指示を出したんだけれど、黒木さんは順調に笑いだし、次第にとても自然にどんどん爆笑モードになっていくなかで、鉛筆に向かって「なんでやねん!(爆笑)」といった。あれは笑ったなぁ。凄く自然体で面白い人です。

▼吉田君は、京都の学生である。自分で映画も撮るらしい。青山真治の作品等が好きらしいとのこと。凄く雰囲気のある面白い人だ。オーディションで一発芸をやってもらうコーナー(コーナーじゃないか)があるのだけれど、他の皆さんは狂言をやったり、落語を一席うったりしていたのだが、彼は「エイリアンが身体から飛び出て死んでしまう人」をやった。これは、勿論あの「エイリアン」の名シーンを再現しているもので、食事中に突如胃の辺りがむず痒くなって、というお決まりのあれだけれど、彼は見事にそれを演じ切った。一度梅田の紀伊国屋の演劇コーナーでうろちょろしている後ろ姿を見た。勉強熱心だと思ったけれど、声はかけずに私は去った。

▼三田村君は、空の駅舎の俳優で、つき合いはそこそこ長い。演出家コンクール2次審査の時に、「Re:ビョーキ」のサラリーマンの役をやってもらった。音楽の趣味が僕とあうので、よく二人で色々話す。一度、PARAのライブを一緒に行った程の仲だ。C.T.T.事務局員でもある。俳優なのにC.T.T.事務局員になったってのは、素晴らしいと思うし、実際誘ったのは僕だったりもするので、多少の責任は感じている。彼の演劇への思いは熱い。今回も熱い思いが変転して妙な仕上がりになった。妙とはほめ言葉である。

▼さて、ここから何故か私はコドモ身体周辺について考える。コドモ身体って言葉が数年前、桜井圭介氏提唱で始まったけれど、私は最近の関西の演劇(といってもちょっとしか見て無いからあまり偉そうなことは言えないが)を見ていて、今更ながらにそのコドモ的部分が演劇、特にOMS時代をちゃんと通過していた世代、でしかも今後も定期的に作品を作り続ける意志のある方々の作品に、そういった傾向があると思っている。何か話が分かりにくいかもしれないけれど、簡単に言うと、「遊び」を一つの表現形態として、しっかり作品内に入れ込める先輩が増えているような気がするのだ(っていってもちょっとしか見て無いからあまり偉そうなことは言えないが)。勿論、昔も「遊び」を取り入れた作品は多くあっただろう。けれど、80年代以降に生まれた世代から見て、当時の「遊び方」はあまりかっこよく見えなかったりする。本当はそうじゃなくって、当時のかっこよい遊びを知っている人と、中途半端な遊び方しか知らない人とでは、大きな隔たりはあるだろう。僕は宮沢章夫さんなんかは、凄くかっこ良い遊びを知っている方だと思っている。切羽詰った遊び方よりも、余裕を持って遊ぶ方がいい。そんな感じで遊び方のノウハウを、時間的な余裕が出来た諸先輩方がTSUTAYAやMANGAやKARAOKEAERA(?)を通じてい気付いていく。今や情報がぶちまけられて、クリエーターはアラーキー化していくのだ。あらゆる現象が脳内に収められ、それをどう出力するかにかかっている。情報を持つ者が勝つというセオリーは、どの世代でも共通している。それがどんなジャンルだとしても、濃くて深い情報を持ったクリエーターの出力する様は、潔くてかっこいい。若いからってよちよちしていられない。もう2,3年すれば、私も30代に突入するのだ。それまでに、無二の何かを得なければ。

▼最近日本劇団協議会が出しているjoinという雑誌の2007年3月号を読んだ。巻頭特集で佐藤信さんのインタビューがのっている。詳しい内容は書かないが、共感できる部分がかなり多かった。高円寺に行きたい。円盤もあるし。。