想像・どこに

▼年賀状も暑中見舞いも書かない私の想像力は、人よりも劣っているのかもしれない。だから、当時よく見知った人の内面を何年かぶりに覗く(気になる)と、何故かよく分からないけれど、気付いたら嗚咽しそうになっている。人一人の想像力や内面の力に圧倒される。私が旅行く先でマンションの多さに圧倒されるとき、常に「あ、ここにも人がこんなにも」と想っている私。世界は私を中心に回っているはずもないと驛駅で気付き続ける愚者である私。フィクションが提示すべきは、こうした想像力をシミュレートする力であるのに。オールザピープルを想像しなさいって言わたのはいつだったか。私は、まだまだ、何も見えて無いのかもしれない。誰が何をどう感じ、それを誰がどう感じ、といった連鎖反応。嘘が下手な先輩が懐かしい。

ドンデスタン