壁ノ花団 第三回公演 『悪霊』

リニューアルしたアトリエ劇研で観る。
前回壁ノ花団を見た時は、とても淡々とした印象を受けた。僕はMONO時代の水沼さんを全然知らないので、あれなんだけれど、今回の『悪霊』は小耳にはさんだ情報によると「ポップだよ」と聞いていたのだが、確かに「ポップ」だった。(ポップの定義は佐々木敦氏の昔の文章をさかのぼって探してみてください。オザケンの話とからませて書いてあった気がします)
作品を読み解いていく面白さがあった。そして、受け手が読み解かんとするスピードと読み解かせんとする作り手のスピードのバランスがきわめて良かった。僕的には、中盤までの流れが圧倒的に心地よく、舞台中央に咲く「花/悪霊」を愛でる登場人物の皆さんの気持ちが痛い程分かる気がした。
水沼さんが「象を作る」を作られた時、別役氏は「真っ当な不条理劇」(?)みたいな表現をしていたと想う(記憶ばかりで書いてすみません)が、まさにその通りだったと想う。これを機に、不条理劇にもっと足を突っ込みたい。上手い役者さんはちゃんと馬鹿に見えるって事も良く分かった(勿論良い意味)。