窓を開けて寝始める、毛布付き

▼長旅が終った。France_panとして初の旅公演と呼んでもいいだろう。フェス参加であるが、これは旅公演だったのだ。もちろん、お金が氷水のように無いので、ちびちびとした旅だった。まず、大阪から名古屋へは長距離バスでいった。往復で買うと面白いほど安い。運良く僕と加藤と高木は岐阜人なので、実家に泊まる。それ以外は、錆びれたホテルに泊まった。長久手は名古屋から遠い。地下鉄東山線の終着駅「藤が丘」からまだ行く。嗚呼遠かった。楽屋は各団体に一つずつ(以上)ついており、私たちは楽屋1だった。隣はOrtさん。初日打上があったのだが、私たちは岐阜まで帰らねばならず断念。中部の劇団の皆様やその他県外の団体さんと一緒に呑みたかった。惜しい。実行委員会長(?)のヒートさんから、初日打ち上げの時、私に電話があった。「只今、団体紹介中なので、何か一言あれば」と言われたが、あまり気の利いた事がいえなかった。残念。でも、ヒートさんもだが、その他の皆様、本当に素敵な人々だった。感謝してます。

▼長閑なる反目、永見と濱本が苦労していた。初日、二人の出来が余りにお粗末であったので、久しぶりに激昂。二人は高木の家に泊まったのだが、私は自分の家からチャリを飛ばし、二人を深夜特訓。二人も疲れていたし、何かと申し訳無いのでAM2時には終了。二日目の出来がぐんと伸びた。しかし、これに本條が怒る。最もだ。稽古でやれってもんだ。この辺の複雑な事情は、打上の時に話し合った。涙目になりながら、何かと話す役者陣。困ったなぁ。てか、初日と二日目であれほどできが違うってのは、お客さんに本当に申し訳無い。書かないでおこうと思ったけれど、まぁこういった事は演劇に憑き物であるし、敢えて書くことで自分のためになる。役者のためにもなる。観客増員、信頼関係のためにはならないが、今後こういった微妙な質的格差を無くすために、頑張っていきたいと思う。お客さん、すみません。そして、役者・僕、頑張れ。

▼しかし二日目の出来は良かった。おばちゃんや劇場スタッフさんには、受けが良かったようだったけれど、フェス参加なので、直接的なアンケートが無いのだ。来週の土曜日に様々な賞の発表があるらしいが、結果はどうなっているのか。。。黙って待とう。

▼顧客拡大のためには、信頼関係が必要だ。単純に「面白い」ものを上演し続ければ、顧客は増える。でも、同じ事ばかりするのが嫌いは僕の性格は直らない。しかし、良いモノは作りつづけたい。そのためにも、多少踏ん張る時期はある。今が踏ん張りどころなのだと実感した。今日は、久しぶりだし酔っているので、文章がぐっちゃぐちゃ。

▼公演が終り打ち上げし、中部地方に一泊した後、皆で静岡まで行く。レンタカー。嗚呼、電車って快適だな。レンタカーで静岡まで行って、鈴木忠志演出、別役実作品を観に行く。いやー、良かった。詳細はまた書ければ書きます。公演後の鈴木忠志とSPAC新芸術監督宮城聰との話がすこぶる良かった。あれは、どこかに収録されれば、演劇人の活力になる事間違い無い。

▼日は遡るが、本番直前の稽古休みにダリ展にも行って来たのだった。人が多かったけれど、キリンが燃えているのとか、パビリオンの写真が特に面白かった。美術展に行くと、何が一番面白いって、人々の反応が垣間見えるってこと。凄く真面目そうなメガネをした中年のおじさんが、ぼそっと「ほんまわけわからん」とか、デートとしてきた初初しい二人が全く絵を見ずに、すたすたと歩いていく様とか、休憩できるソファーの上でメイク直しをする女性とか。何だろうな、あの空間は。セミ・パブリックな場所では、人間の動向が良く見える。僕はバイト先の昼休みにぼーっとしながら、よく公園にいますが、あの時のセミな感じと、美術館と、よく似ている。劇場もそうなって欲しい。

▼一番大事なことを書き忘れそうになった。次回公演『貝を棒で』出演者募集してます。興味のある方、是非ご応募ください。