KAVCチャレンジシアター'06-'07 ジョイント公演「3pieces」

チャレンジシアターは比較的昔からはじまっていた、劇場プロデュース。今までに様々な団体が出場している。前回からテーマ性になっており、France_panも出場させて頂いた。その時のテーマは「ロボット」。そして今回は「日本」。次回は「音楽」らしい。劇場プロデュースがこうしてテーマを掲げて発信する姿勢が良い。実際、KAVCは良い仕事をたくさんしている。新開地、ちと遠いが、劇場に行くととても落ち着く。良い小屋だ。

今回見たのは、以下の三団体。
①Fellow House「うろんなお喋り」
ゴーリーばりのナンセンスをついついタイトルから想像したが、そうでもなかった。全体的にとても若い印象。荒々しい場面も多々。ただ、その若さゆえの傍若無人な態度と失敗を恐れぬ姿勢に好感を抱いた。中盤の頭と足元のみを懐中電灯で照らす場面が良かった。
②flâneurs「NIPPONのいいところ」
女性二人のデュオ。綺麗だった。面白かった。もっと活動して欲しい。音楽・照明も良。振り付けも可愛くスタイリッシュ。FP企画とかで呼びたい。昔のナイロン100℃の場転を思い出す。見ていて、静謐なアジア映画を思い浮かべた。特に後半。
難民experiment「Hirohito」
主宰の内山氏は、何度かFrance_panを見て頂いていたので、若干お話した事がある。今回も丁重なメールを頂いた。初見だったが、想像以上に面白かった。ちくしょう、良かった。この作品名が「Hirohito」と言うのも肝。方法論はとても単純明快なのだけれど、日本の天皇制を上手く俎上に載せている。構成もかなり練られていて、思わず唸ってしまう場面もあった。KAVCホールは入った瞬間大きな印象を受けるのだが、内山氏の独舞は、客席と舞台の距離を縮めた。私はかなり後列の席で見ていたのだが、いつしか最前列で見ている錯覚に陥った。