戯曲を読もう

此間、はっとした事がある。僕は余り戯曲集を持っていない。部屋には小説や新書の類、漫画や映画にまつわる本、演劇論集等があるだけで、戯曲単体で存在している立派な本は極めて少ない。これは如何なものか。戯曲を書くのだからたくさん戯曲を読むのは当然なのだろう。と考える。小説論を読むとき、「ああ、これ読んだな」とか「あ、これ読んでないな、読もう」とかしっかり想うのに、戯曲論とか余り読まないためか、そう想う機会が少ない。たとえ読むにしても、戯曲を読もうと想ったら色々と大変だ。まず売ってない。買っても高い。つまりは、図書館の書庫となる。昨年、太田省吾の「小町風伝」を書庫から拝借したのだが、かなりボロボロだったので苦笑してしまった。やっぱりボロボロなんだよな。今、文庫本などで、戯曲を刊行している素晴らしい出版社があるけれど、あれももう少し値段を下げて欲しいと想ったりする。

あと、五反田団の公演会場では、500円で今までの台本などが売っているけれど、ああいった活動は素晴らしい。500円なら買う気になるし、あの値段設定には、戯曲文化をひろめよう、といった清々しい気持ちが感じられる。たとえ売る側が無意識だったとしても、それはそれで良いのだ。しかし、もし今度の岸田戯曲賞に前田司郎『さようなら僕の小さな名声』が選ばれたら、あの台本だけちょっぴり高くなるのだろうか。その辺が気になる。

話が脱線したけれど、兎に角もっと戯曲を読む機会を頑張って自分で作ろうと想うのだ。そして全ての劇場は、演劇資料の図書館になって欲しい。貸し出し制度を公言してくれたら、もっと色々な劇場に行く機会増えるだろうに。(そういう意味で京都芸術センターは素晴らしい。)僕個人的に戯曲を読む会みたいなものを数名の役者と結成したくなってきた。月に1回か2回集まって、皆で戯曲を読む。で吟味。興味ある方、メールください。