OSPF

前フリ
http://artsubasa.exblog.jp/1407084/
おぉ。トラックバック!? でも無いのかな。。。?まいいや。

彼経由でOSAKA SHORT PLAY FESTIVALへ。どうも有難う彼。

で簡略的にレポる。私的感想。各劇団の紹介等は、OSPFのホームページでがっつり分かるので、そちらへどぞ。 http://www.ospf.jp/

場所が松下IMPホールという事で、私の未体験ゾーン。当日小雨もパラパラ踊ってるので、10分ほど遅れてしまった。いやはや、しかし大阪ビジネスパーク、でかいよ!セレブってるよ!俺切符代しか持ってきてないよ!目がぱちぱち。グルグル走り回ってぜぇぜぇ言いながら到着したのです。

STAGE D 13時開演
関西歌劇団
まず自分たちの劇団を紹介。で、ラ・ボエームを抜粋して演じてみせてくれた。会場のスピーカーの音の悪さがむかついた。電子ピアノってのも、どうなんだろう。歌の方は、それなりに。女声もっと頑張って欲しかったかな。会場の受けは、「おぉ。はじまってる。唄だ唄だ。上手だなぁ。」的な反応。皮切りとして成功では。


松本キック大川興業
嬉々としてみた。最近大川興業に感動してたので、生キックだ!、と。鉄道マニアのネタを延々とやってのけるのだが、非常に受けは悪いはず。勿論彼はそれも狙ってるから、そんな事はどうでもいいのだが。やっぱ、大川豊の構成力・強制力ってすげぇんだ。と思った。終演後普通にしゃべっているのには、どう反応していいのやら、会場が困惑していた。


劇団鹿殺し
昔、ノリでE-1(演劇のM−1みたいなもの)の予選に出場したとき、僕は初めて彼らを観た。で、おぉ、と思った。で、今回久しぶりに、もぅずっと有名になったし東京行ったし、どうなのだろうと、かなり構えて観た。が! ん〜〜〜、素敵じゃんかぁ。くそぉ。ジャポンってバカみたいに日米関係を揶揄った作品を上演してましたが、いやその擬え(なぞらえ)方自体はちっとも凄く無いのけど、はみ出してる力?、意味に回収できなくなる瞬間の力、それが強い。ジャポンがアメリカに斬られ、腹から血が出て、それが臍の緒のようになり、伸びに伸び、その赤い緒で舞台上の全員が大縄跳びをする。「これ面白いから、やっちゃおうか?」的なノリに見えるそういった場面に、僕は身震いしました。いや、凄いっす。


銀幕遊學◎レプリカント (本当は二重丸の内の丸は真黒でもちっと大きいです)
さ、往年のピスタチオファンの僕としては、大変気になってみました。(ランニングシアターはちっとも気にならないんですが。。。)お初でした。ダンス批評なんか出来る程観てないので、僕はいまいちよく判らないんですが、昔ピスタチオで使ってた曲を使うのは、どうかなぁって思いました。何回も使ってるんかなぁ?? 上演していた「ロープ」に関して、やろうとしてる意味は伝わったので良かったですが、あまりに音に頼りすぎでは? 特にラスト。圧倒的に音に依存。そこまで観客はバカじゃないと想う。確かにあの曲、僕もCDで持ってます、寝る前にかける曲ベスト5に入ってましたが。


劇団態変
やっぱり凄いです。凄いと言う形容は浅はかですが、一つの本質はついてると想います。ほんとすげぇ。色々考えられる劇団です。(ちなみに「劇団態変」とタイプするとき、まず「変態」と打って「変」をデリートし、また再び「変態」と打って「態」をデリートして「態変」とする方法について〔後者は「変」とだけタイプしても良いのですが〕、これまた様々な考え方が出来るなぁ、ってさっき打ってて想いました。)
音がかっこいい。ダンサーの身体もかっこいい。積み上げられた段ボールが瓦解するのがかっこいい。ラスト全員が静止するのがかっこいい。そして「かっこいい」「凄い」と想った私をまた考える。彼らの舞台評は二度書かれる必要がある。ミクロからマクロへと視座を移し変える必要がある舞台を作ってる、唯一無二の劇団。


動物電気
実は彼らの公演が録画されたヴィデオを持っている。早く観ようと想った。本当に面白い。出演したいぐらいです。OSPFでのコントはセンスある新喜劇って感じもしましたが。でも、やっぱ好きです。公演が観たい!くそぉ!!



STAGE E 16時開演
清水宏
嬉々として観た。僕はめちゃくちゃナイロン100℃のファンで、清水さんはよく客演で出てる(過去形の方が良いのか?)ので、あぁ〜生清水宏だぁって想って。デヘヘ。しかも、予想以上に面白かった。デヘヘ。「サザエサン ホラーヴァージョン ハリウッドリメイク」とか「一休さん 西海岸ヒップホップヴァージョン」とか「ET 名古屋オールロケバージョン」とか。本当にいい役者さんだなぁって想いました。しかも英語上手なんですよ。観客との距離感を一番上手に把握してた人です。憎めない人柄(演出?)でした。ぃや、演出じゃない! 清水宏はいい人だ! 僕はあるエピソードを知っているんだ! 彼がナイロンへ客演してた時の話だ!マニアックすぎるので端折ります! で、隣に座ってたお姉さんの一言をお借りして言いますと、「こんな前説だったら、(本編の)内容が薄まるわぁ」 いぇ〜い!!! (テンションが不可解ですが、ファンの熱狂なんです。すみません。)


ニットキャップシアター
相変わらず上手だなぁ。一度京都芸術センターで観たとき以来ですが、相変わらず丁寧に作ってます。ノホホンとトラウマを癒していくような。ごまのはえの偏見を上手に加工して舞台にのせる。そんな感じがします。童貞とかコンパとか友達とか。ノスタルジーって強いですね。いい人になれそうな気がする舞台です。ノスタルジー


デス電所
やんちゃだった。若かった。でも好きです。悔しいけど、デス電でっかいです。急遽コント内容を変更して、当日は竹内祐一人舞台。陣内ネタでした。ピーと入る箇所、もっとやって欲しかったです。それじゃ、やっぱサウスパークだよぉ、を避けてたような気がしたのが、また憎い。オリジナリティとコピーの擦れ擦れを走り去っていった印象。羨ましいです。


宮川サキ(pinkish!)
イッセー尾形には森田祐三がいます。宮川サキには誰がいるのでしょう。やはり限界を感じます。役者として上手いと想うのですが。勿体無いと想いました。


ラ・サプリメント・ビバ
するするすると、圧勝してました。サンプリング・コントです。昔、底抜けとか海砂利なんかも、ちょっと手を出してたんですが、ここまで圧倒的にサンプリング・コントしてるとは、想って無かったです。いろいろ考えました。シニフィエ/シニフィアン、それぞれの糊しろ具合とか。言葉を音としてサンプリングしている段階で、文脈なんて古臭いコードを越境出来ている。さらに生身の人間が「既に発せられた音声」に動かされる事で、器としての身体性が出てくる。つまり空っぽの人間が面白い事を「言わされている」ってこと。新しい人形浄瑠璃。もっと有名になってほしい。ただ、一時間半ものにした場合、どうやってバランスを取っているか観てみたいです。しかし、彼らの舞台。笑わされます、絶対。笑うじゃなくって。笑わされる。ビバ!


EHHE (本当は最後のEが逆の表記です)
SMブラザーズ。下ネタショートコント。これぐらいやってこそ、下ネタやってる、っていえますよねぇ。フラパンなんて、ちっとも下ネタじゃないのに。あそこまで突き抜ければ、誉められるのだろうか。。。ハイレグジーザス、観たかったです。ちっとも凄くないのが、凄かったです。



STAGE F 19時開演
Afro13〜エイシャ(Asla)
なんで彼らがエディンバラに行けたのだろう。と想ってしまいました。制作がすげぇんだろうなぁ。と想いました。とりあえず、まぁ良質な高校演劇を思い出しました。オリジナリティは無いと想います。萌えを狙ってるんでしょうか? わかりません。萌えといえば、こんなページがあります。どうでしょう。http://moe.matrix.jp/design/index.html



アクサル
如何にも女の子受けを狙っている劇団。こういった劇団って、実は上手なんです。いろは判ってるみたいな。厭味な感じはしなかったです。爽快でした。臭い場面も「臭いです。すみません。」と判ってそうな感じに好感を持った。制作サイドもどうやら力入ってるみたいで。頑張って欲しいです。踊れる男前は、やっぱモテるのでしょうか。そうなのでしょう。黄色い声援も多かったような。。。


劇団ショウダウン
男二人がTEAMモテタイを結成するかしないかって話。アクサル→劇団ショウダウンにしてもらって、よかったね、的な感じがした。ちっとも売れたくなさそうな態度に好感。漫画好きをアピールするも、ちょと中途半端な感じが。二人ともキャラは素敵でした。


売込隊ビーム
大阪にて売れてる劇団。昔、関西小劇場を紹介する深夜番組(司会松尾貴史)で初めて観ましたが、僕とは感性が違うなぁってずっと想ってました。E-1予選会場でも会いましたが、やはり感性違うなぁって。そして今日見て、やはり感性違うなぁって想いました。実は、作・演出の横山さんには、前回の[洟垂れバナレ]を観に来てもらってて、お話もちびっとしたのですが、あれれすげぇいい人でした。ので、あんまり色々書けないんですが。ん〜、どうもビームさん(と呼ぶらしいです)の作るコントが、弱いって言うか、面白いか?、どうでもよくないかそんな事?、って想っちゃうんですね。会話がぐるぐる遅延されてるって言うか。相反する人たちの会話があれば笑いが出てくるはずだ、的な「いい人」オーラ全面に出てるような。。。すみません。色々言って。しかし女性の方、可愛かったです。一緒に喫茶店行きたい感じ。レモンティ。


菅尾なぎさ(イデビアン・クルー
これまたダンスなので、とりあえず畑違いなんですが、僕的には結構良かったです。いまいちダンスに力入ってねぇなぁって最初想ってたんですが、入ってないなりの意味が途中から浮上してきて。可愛い女の子が唄うのりのりポップソングに、ゆーっくりと動く姿、さらにラスト、僕的に後背位されてるんだろうな、としか思えない姿勢で固まっちゃう場面は、非常に良かったです。冒頭の意味ありげな普通具合、単調な音がずーっと流れる安易な前半とポップソングな後半の落差。でも菅尾さん自身のエロスが邪魔な気もしました。舞台上で髪を剃り落として欲しい、そんな僕のS魂を刺激する、舞台上ではエロス全開だった菅尾さんの終演後トーク。笑顔が素敵でした。


ロリータ男爵
「ナイロンを半年で首になった」という売り文句が戦略的だなぁって想ってましたが、実際観てみると、なるほどアホ祝祭的で、非常に楽しめました。なんか楽しまないと損なんだろうな、と思わせる強引な馬鹿力があって。構成もしっかりとやってるので、プロだなぁと。しりあがり寿の文庫漫画のあとがきに、宮沢章夫が彼らの事を紹介してるんです。それはなんつーか、すげぇことで。好き嫌い別れる想いますが。11月のジャングル2nd参上が本当に楽しみです。僕的に「メガネメガネメガネ」ってコントが秀逸でした。全身白タイツにメガネの三人組が、舞台上から会場にメガネを意味無く(この意味無くってのが、一番ポイント)放り投げる。するとアンビエントな音楽とともに、「メガネ・・・メガネ・・・」という囁き声が流れるはじめる。舞台上の三人は無言でメガネを探しながら空中遊泳。突然暗転になったかと想うと、ブラックライトが仕込まれており、メガネ三人衆は白く輝きはじめ、遂にはなんと舞台から客席に下り、会場内を踊り暴れまくる。ただそれだけ。途中、白タイツの光りを補給・増強するため一瞬だけ客電が点くのも素晴らしい。


総評
関東の力が圧倒的でした。それは終演後のトークでも明らかで、関西勢のみな物静か、井の中の蛙になってました。舞台表現として、関西勢で最も貢献してたのは、劇団態変でしょう。基本的に関西勢は大人しかったです。(嗚呼、鹿殺しは関西出身。。。ま、関西/関東で区切ってもしょうがないですがね、一応こう言う事も述べておかないといけない気もします。)そういった雰囲気を察してか、終演後のジャンケン大会(各ステージ後に催される)にて、竹内祐がパーを出した瞬間、四肢を伸ばし跳び上がり「パァーッ!!」と狂ってました。こういう姿勢は見習いたいです。
あと、劇団鹿殺し動物電気、エッヘ、ロリータ男爵と、四つの劇団で服を脱ぐ行為が見られました。演劇がダンスに対抗しうる身体表現の一つとして、「脱衣」が挙げられるのではないでしょうか。「脱衣」で露わになる「肌触り」は、役者と観客を距離を縮める有効な手段かもしれない。なこともないか? 嗚呼、清水宏松本キックのサイン欲しかったなぁ。