母子手帳を探す

▼Cassiber全作が手に入った。こりゃ嬉しい。わからない人にはまったくわからないだろう。まぁいいさ。私の今年のクリスマスプレゼントだ。といいつつ、今はカンのフローモーションを聞く。ゆるさがいいんだ。あと、音楽の話で言うと、アートベアーズのボックスを注文した。安かった。この辺の研究をちょっとしている。音楽最高。

ブレッソンの映画について、誰かと語り合いたい。私は一作も未見だが。

▼先日、報道ステーションを見ていたら、寺田恵子という助産師の特集があった。その方は、「いのちの授業」というものをやっており、出産のリアルな現場を演劇手法で再現。その後、母と子のワークショップを行っている。そんな人らしい。僕もちょいちょい演劇ワークショップしたり自ら体験したりするのだけれど、この「いのちの授業」を見ていたら、しらんまに涙が出た。お恥ずかしい。でも一緒に見ていた同居人が私以上に号泣していた。(号泣の対象が同じ時、人は何故相手を愛おしく思うのか。実際は、半分冷めるんだけど。)ま、とにかく母と子が、手を合わせたり、母が子どもを強く抱きしめるだけなんだけれど、自然と母と子が「産まれてきてありがとう」とか「産んでくれてありがとう」とか、笑顔だったり泣きじゃくった顔だったりで、言いあっていた。ワークショップという現場で、指示を出されて、実人生をシミュレートする。言われてからやる。という事だが、言われてからやるから、いつも出来ないことが出来る。実人生の中で、「はい、私を抱きしめろ」と言ったって、そうそう抱きしめてくれる人はいない。いたとしたら、そいつはきっと変な人だ。しかし、ワークショップという名の下、抱きしめ合うことを命令され、単純な命令に従うだけ、と自分に言い聞かせる。でも、強く心が動かされたりする。そんなんで良いんじゃないか、って僕は思う。指示された演技の過程で、ふと本質に触れる。そんな事を感じた。舞台芸術が持っている可能性は、もっともっと社会に還元される。泣きながら見た番組に、こんなことを思わされた。

▼あと、その番組見ながら、母子手帳の事も思い出した。中学生の頃、母のタンスを探っていたとき、私は母子手帳を見つけた。何故母のタンスを探ったのかというと、きっと裏ビデオを発見しようとしていたのかもしれないし、コンドームとかそういうもんを探っていたのかもしれない。中学生の頃、私の母は再婚をしたので、何かそういったいかがわしいものが、タンスから発見されるだろう想いで探したが、そんなどうしょうもないものは、一切見つからなかった。代わりに母子手帳が見つかった。初めて観た母子手帳だ。存在もよくわからず、それを見入った。何かいろいろとチェック項目があって、人見知りするだとか、動きに反応するだとか、事細かいチェックがあった。それを見ていて、その時も、なんか感慨深くなった覚えがある。「俺をチェックしていたんだなぁ」という感動。ストレートに気にかけられている様を見せつけられるのは癪だが、秘かに気にかけてました、というのは、なんて素晴らしいんだろう。直接チョコレート渡されるより、下駄箱に入っていた方が感動するのも、この法則だと思う。とにかく感動した。その事を今まで伝えることも無かったが、まぁ私のブログはチェックされているから、近々電話がかかってくるだろう。そして母は自慢してくるだろう。「良い母だろう」と。まぁ、そんな私の母だけあって、母子手帳も途中からチェックが適当になり、最終的には一切チェックしてなかったページが最後まで続いたのはご愛敬。まだ見たことない人は、是非実家帰って、母子手帳を盗み見るがいい。

▼ジョンの曲を聞く。この二つを見比べると、自分の中にいろいろと変化が出てきます。後者の回転数は、前者よりも50万回ぐらい上です。いろいろ考えてしまいます。なにはともあれ、メリークリスマス、ハッピークリスマス。

http://www.youtube.com/watch?v=hb2YSAVHmIE&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=s8jw-ifqwkM&