あんにょんキムチ/松江哲明監督

ずっと気になっていたのだが、なかなか探すのも買うのも億劫になっていて、結局今日見た。移転したPlanet+1にて観る。しかしかなり久しぶりに映画館に行った。やっぱり単館系の客を見るのは楽しい。そして独特の臭いも。高校生の頃、確か名古屋シネマテークだと思うけれど、そこで寺山修司実験映画連続上映やっていたので、一週間ぐらい通い詰めたけれど、その時の臭いは未だに忘れられない。

で、作品。僕は非常に好み。勿論、緩やかに進んでいってしまうような感じはあるけれど、その緩やかさに凄くリアリティを感じます。演出的な部分も十分微笑ともなって輝くし、そりゃドキュメンタリーだって演出しますよ、という部分を多く感じた。それが厭味に映るのでなく、日韓の関係性を全的に自分の感性で遠くから近くから眺め、焦点を優しく絞りながら対象に近づく。そんな感じ。フィクション映画は画面に命令的記号が満たさてるような作品多いですが、このドキュメンタリーはそういう意味で大変ニュートラルで、客に迫ってくる感じは無い。そもそもそれがドキュメンタリー的使命と言っちゃう事も可能だろうけれど、この作品はそんな使命感さえまったく感じないほど、ほんとノホホンと作られていて、学ぶべき点が多かった。作品中盤に出てくる父のインタビューとラストで流れる唄に飲泣。

こんな人が作ってます。素敵。
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